相手にされない表敬訪問とは?

マレーシアが4/1から観光を含め隔離なしの入国が可能になりました。(出入国のPCR検査等は必要)
この内容を受けて、お仕事で来馬を検討する方も増えていると思います。

今回は、直近で諸々のアテンドを依頼されたあるクライアントのお話を取り上げ、言いにくいけど無視されてしまう事例をお伝えすることで
マレーシア訪問を有意義にしていただくコツをお伝えします。是非ご参考にいただければ幸いです。

嫌がれることを理解する

社長や役員が訪問するので、ご挨拶で。。というのが一番痛いパターンです。当地では特段、タイトルで人を判断する傾向にはありません。
具体的に何を提供してくれるか、に興味があるのです。
挨拶だけならチャットツールで出来るし、顔を出し合うのであればZoomで十分でしょう、と言われてしまいますし
いくつかの当地企業においては、面会を有料にしている、という話も耳にします。

情報交換は通用しない

ふわっとした「情報交換で...」というのも相手にされません。
何の?という議題が不透明な状況での情報交換は、果たして実際に面会をする意味があるのでしょうか。
相手からすると、出すべき情報の整理もできなければ、そもそも自分達から情報を提供する価値があるのか、という判断をされますので
情報交換=意味が薄い時間、と捉えられ、これもチャットで十分となってしまいます。

お勉強、現地の空気を感じるのは独りよがり

「勉強させてもらおう」「向こうの空気を吸ってこよう」といった程度の動機では、相手にとって貴重な時間を費やすメリットはありません。
特に相手がスタートアップ企業の様に、一刻を貴重にしている場合はなおさらです。(スタートアップに限らない)
勉強とか空気感を感じるというのは、主語がつねに自分でありますよね。
相手と会うことがお勉強であるなら、相手にとってはあなたのお勉強に付き合うことになるだけの時間、と判断されてしまうのです。

誰が行くべきか・どうするのが良いか

面談に参加するのは「権限」と「現地の理解(知識)」兼ね備えている人にすることが求められます。マレーシア企業の組織(階層)もそれなりに明確化されていますが、これまでに記載したポイントに留意して面談が実現する場合は、大抵、窓口の担当者と権限を持つ方が同席するケースが多いです。
したがって、その場でおおむね決断が可能な状況なのです。
そこに日本から、現場に詳しいが権限がない担当者が行くと「持ち帰って検討します」と何も決められず、逆に役員などが行くと「詳しいことは現場に聞いてから」となってしまい、会う意味がないと思われてしまいます。

面談は「こちらがお土産を持っていく」くらいの感覚で議題と内容を準備しておくと、マレーシア当地にて自然と受け入れられるはずです。

観光を含め来馬者が待ち遠しいKLセントラルマーケットの様子


また、マレーシアでのコミュニケーションは、日本人の様に相手に気遣いながらではあるものの「比較的はっきりと物を言う習慣」があります。
面談の最初に、今日の趣旨や面談が終わった状態(ゴール)はこうありたい、と伝えると、相手側に意味がある時間にしようと伝えることができ
双方向性も生まれお互いの距離が縮まりやすいですよ!

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鈴木健吾

Kengo SUZUKI

NEOLIZE SEA SDN.BHD.代表。 人生の選択肢として第2の拠点をマレーシアに設立し自ら実践中。 当地のデジタルエコシステム形成に関わる民間企業、スタートアップ、投資会社、政府機関等に幅広いネットワークを持つ。拠点立上げ・組織/体制作りと運用・テック系新規事業の事業化に精通する。東南アジアをカバーする当地のVC(Venture Capital)アドバイザーも務める。クアラルンプール在住。

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