マレーシアを拠点に東南アジアを制する海外起業の魅力とは

東南アジアでの起業とは?

世界へと進出する日本の企業は数多くありますが、そんな中、昨今進出する企業が多い地域として東南アジアがあげられます。
なぜ東南アジアなのでしょうか?実際、私自身がマレーシアに拠点を作る際に検討した内容と、現在感じている効果を合わせて
以下にその理由を整理していきます。

東南アジアに進出する企業数

東南アジア(ここではASEAN主要6カ国:ベトナム・インドネシア・シンガポール・マレーシア・タイ・フィリピン)は、その経済成長(コロナ前で平均4.5%)と市場規模(約6.5億人)の成長を背景に世界的に注目されています。日系企業の進出数は現地法人を含めて2.5万社以上にのぼります。
また、東南アジアには親日家の国も多く、日本企業としてのブランドが最大限活きるというのもこれだけの企業が進出している理由の一つとなっています。

マレーシアに進出の企業数

多くの外資系企業が東南アジアに進出している中、近年マレーシアに進出する外資系企業が多くなっています。
その中にはもちろん日本企業も含まれます(約1,380社)。
マレーシアは2025年に先進国入りを目指すため、外資系企業を誘致する政策をとっている背景があります。

マレーシアは外資に寛大

マレーシアに進出する企業が多い理由の一つにマレーシアが外資系企業に寛大な政策をとっているということが挙げられます。
マレーシアでは基本的に外資に関する規制がほとんどありません。
2009年にサービス産業の自由化が発表され、それまで行ってきた外資系企業に対する規制を大幅に緩和しました。一般的にマレーシアでは外資出資比率の上限を30%~49%までに制限する規定がありますが、製造業、流通・サービス業では100%外資での事業運営が認められています。
そのため外資系企業が活躍しやすく、マレーシアとしても国力増強の関係が成り立つという仮説があります。

マレーシアを拠点にする魅力

マレーシアは人口が約3000万人強と市場としても決して大きいとは言えません。しかし若者が大変多く、出生率が非常に高いため綺麗な人口ピラミッドが形成されており
今後、人口増加が見込まれています。

同時にGDP(国内総生産)の数値も年々上昇傾向にあり、2025年には個人の年間GDPを$15,000にさせ、先進国入りを目指しています。
私が最初に生活を開始した2015年当時とクアラルンプールの街中を比較しても、所有する車や身なりからだけでもマレーシア国民がだんだん豊かになってきているということを感じています。

国民が豊かになるということは購買力が高まるということなので、一般的には商品が売れやすいということになります。そのため近年マレーシアは将来的に伸びるであろう市場として非常に魅力的だと判断する企業が多くなっているのです。
人口統計と特性以外を下記で見ていきましょう。

近隣国へのアクセスと時差

東南アジアの中心部に位置するマレーシアはアジア近隣諸国へのアクセスが抜群です。
以下にASEAN対象国へのフライト所要時間をまとめてみました。(首都同士)

国名移動時間
カンボジア約2時間
インドネシア約1.5時間
タイ約1.5時間
ベトナム約2時間
シンガポール約1時間
フィリピン約4時間
ミャンマー約2.5時間
ブルネイ約2時間
ラオス約2.5時間

特徴的なのが殆どの国で時差が±1時間ということです。東南アジアを一つの地域として捉えるとこれだけ移動が短く、さらにはLCCの代表格エア・アジアのハブとしてフライトも充実しているので、この利点を生かさない手はありません。

もちろん日本からもいきな酸いので、便利な立地であることは間違い無いです。

日本との時差

マレーシアは日本との時差が1時間ほどしかないため、マレーシアに軸足の生活をしても、殆ど日本と変わらないリズムで暮らすことができます。
ヨーロッパなどで生活していると日本とはかなりの時差があるため、時差ボケを起こしたり、生活リズムが大きく崩れて体調を崩したりと様々な障害があります。
マレーシアで起業すればそのようなことは起こらないことは大きなメリットのひとつです。

シンガポールや香港と比較される節税効果

日本の所得税率の高さ、その他課税対象となる項目が多いのは言わずもがなですが、近年は国策をはじめとして

所得税率が優遇される国として、シンガポールや香港などが有名です。特にシンガポールについては
外資の呼び込みに成功し、資金や高度な人材が集まるとして超先進国となっていますね。
実はマレーシアの税制もシンガポールと比較すると、それなりに効果があることが分かります。

下に纏めてみました。

国名所得税住民税消費税相続税
日本累進課税
最大45%
10%10%累進課税
最大55%
シンガポール累進課税
最大22%
制度なし7%制度なし
マレーシア累進課税
最大30%
制度なし売上税0%
(条件あり)
サービス税6%
制度なし

シンガポール、マレーシアともキャピタルゲイン税もありません。(マレーシアは不動産については該当)

実際の物価は

ここにイギリスmovehub社の世界の物価指数の図を貼っておきます。シンガポールは東京と並び世界でも有数の物価の高い都市になります。(不動産価格等含む)
マレーシアは90番目なので、その違いがよくお分かりいただけると思います。

物価については、単純に水や1食の比較で判断するのでなく、実際に生活の疑似体験をしてご自身のビジネス目的に応じた選択肢を取ることをお勧めします。

まとめ

ここまでマレーシアを拠点にする魅力を解説してきました。マレーシアは日本よりも物価や人件費がかなり安く、固定費を抑えた状態で事業運営やオペレーションをしていくことができます。
そのため資本金が少なくて済むので、日本で起業するよりもより手軽に起業することができます。
また東南アジア近隣諸国にも行きやすく、地域によっては税率もかなり低いため、マレーシアだけでなく他国への進出も現実的なのです。
このような要因からマレーシアは会社を設立するハードルが低いと言えるでしょう。


マレーシアを拠点に東南アジアのハブにすることで見えてくるビジネスチャンスも益々増えてくると考えられます。もし起業をする(拠点を作る)意思があるが、その場所で迷っているという方は、この記事を参考に「第二の拠点はマレーシア」を検討してみてはいかがでしょうか?

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鈴木健吾

Kengo SUZUKI

NEOLIZE SEA SDN.BHD.代表。 人生の選択肢として第2の拠点をマレーシアに設立し自ら実践中。 当地のデジタルエコシステム形成に関わる民間企業、スタートアップ、投資会社、政府機関等に幅広いネットワークを持つ。拠点立上げ・組織/体制作りと運用・テック系新規事業の事業化に精通する。東南アジアをカバーする当地のVC(Venture Capital)アドバイザーも務める。クアラルンプール在住。

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