ポストコロナの今、世界情勢の影響もあり資源価格が高騰して交通費や燃料費が上がり続けていますが、ここクアラルンプールの人件費もかなり高くなっていることを感じています。最近、お仕事関係でローカル人材の採用活動に一部関わっているので、今回は都市部におけるテック系(デジタルテクノロジー)やIT関連の分野における具体例をご紹介します。
現地採用の日本人より高給
ITのシステムやソフトウエアを動かすためのプログラミングを行うプログラマー。
この職種ですと、リーダーレベル(マネージャーの1つ下のレイヤー)で目安8,000RM(約24万円)、管理職になると11,000RM(約33万円)以上になります。
当然、経験値や対応できる言語、日本企業と関わる仕事における完遂能力やコミュニケーション能力も考慮されれますので、目安金額はあくまでも参考です。
また先日は、セールス職のアシスタントマネージャー(同じくマネージャーの1つ下)で9,000RM(約27万円)という候補者もおりました。
クアラルンプールでの現地企業に採用される平均給与(プログラマでなく全職種)の場合、10,000RM(約30万)は一般的に高給と言われていますのでローカル人材で能力のある人間は、日本人より高いお給料をもらっている人が一定数存在していることになると思います。
昇給率は最低でも年5%
ちょっと古い話ですが、私自身がクアラルンプールに駐在していた会社員時代、プロダクトエンジニアの採用活動をしていました。
その際、マネージャークラスで8,000RM以上のオファーを出していました。また、セールスもアシスタントマネージャーは7,000RM目安で採用をしていました。
この話が約6年前。プログラマーとプロダクトエンジニアのマネージャー職位給与を単純比較はできませんが、セールス職の件もならして見てみると、約28%程度の上昇が確認できるので、昇給率は一般的に年率5%程度と言えそうです。
さらにコロナ前の2019年のマレーシア統計庁データをベースに考えると、直近の昇給率は職種にもよりますが、景気のリバウンドもあるのでもっと高い水準かもしれないですね。
欲しい人材にはいくらでも!?
クアラルンプールに拠点を持つある米国のスタートアップ企業が、大学新卒のエンジニアに10,000RMを越す待遇で採用を獲得した、という事例をローカルのビジネスパートナーから伺いました。
初任給で30万円を越すというのは、マレーシアでは破格と言えますが、こんな事案もリアルに起きてきていることを知っておいて損はなさそうです。
最後に
マレーシアは今年のインフレ率が2-3%、GDP成長率は5-6%という見込みが発表され、経済はコロナ前の水準に戻り、実際に今は消費も爆発しています。
この傾向を受けて、人件費についても業界・職種によって違いはあるものの、上昇傾向は続いていくでしょう。
企業が欲しがる優秀な人材の獲得は、地域を越えて国境を超えて、東西南北関係なく、いよいよ全球化(地球の球体という意味)でのテーマになってきましたね。
今回ご紹介している給与は月給の目安であり、インセンティブやボーナスなどは含んでおりません。1リンギット・1RM=30円で換算

