クアラルンプールの外食値段を公開、インフレの影響はどれくらいか?

今年4月から、クアラルンプールへのお仕事関係の来馬者が続いている中で、みなさん共通して「外食の値段については安くはないね」と口にしています。
当地で生活をしていても、特に国境開放とラマダン明けの5/1頃から値上がりの事実を目にしております。
そこで今回は、2022年6月26日の今現在の"KL都市部の飲食におけるお値段"と値上がりの影響の実例をいくつかご紹介したいと思います。
(比較基準は今年1-3月までの値段とそれ以後)

値上がり傾向な飲食店とその理由

世界的なインフレの影響を受けて、マレーシアでも小麦や食用油、燃料費などの値段が上がっています。その結果、屋台飯を含むファーストフード的な飲食店をはじめ、ほぼ全ての種類のお店で値上げがされています。当地のファミレス的なレストランのメニューがここにありますが、ご覧のとおり値段の部分をシールで貼ってそこに新しい値段を上書きしているのを確認いただけると思います。中華料理店はガスを沢山使うこともあるし、材料費も値上げされているので、目安で5-10%程度の値上げをしているということでした。(店主談)

高級レストランにおいても、お酒のハッピーアワーが廃止になったり、材料費の高騰や輸入している食材の仕入れ値高騰を受けて、値上げをしているお店が、目につくようになっています。
当地では「値上げしてすみません...」というより、「仕入れが上がっているんだから値上げしたんだよ」という店員の堂々とした姿勢も印象的ではあります。

値段を改定したメニューに遭遇する日々

アルコールへの影響は?

もともとマレーシアはお酒の関税が高いので、アルコール自体の値段設定は高いです。
今回のインフレの影響としては、物流費(交通費)の高騰がそれなりにあるということを、行きつけのローカル居酒屋やバーの店員さんから聞いています。
具体的な値上げとしてはビール関連が7-8%程度の上昇で20リンギット(約620円)、瓶ビールで豪州や日本の輸入ビールだと30リンギット(約930円)位になっています。
カジュアルなイタリアンやスペイン料理店でワインをボトルで頼むと、これまでは1本120リンギット(約3,700円)程度でしたが、今では140リンギット(約4,300円)になっている(同じエチケットのワイン)という現状です。

写真は数年前の瓶ビール(17リンギット)であるが、2022年の今は20リンギット(約620円)に

今後どうなっていくか

政府が発表している2022年、2023年のインフレ率は2-2.5%程度です。マレーシアは資源国で石油や天然ガスを安価に買えることもあり他のASEAN国と比べると数値自体は低くなっています。確かにレギュラーガソリンにおいても、値上がっているとはいえ1L=2リンギット(約61円)です。
インフレ率が適正に推移することで、景気自体は好循環になりますので、引き続き飲食店の値段は上がっていくと考えられます。

別の言い方をすればこれまでの屋台店やファミレス店の値段が安すぎた一面もあると思います。
また、優秀な人材はどの業界も取合いになっていますので、給与の高騰も今後飲食店の値上がり要因になってくるかもしれません。

それでも住居の費用が比較的安く抑えられることで、生活費の高騰も相殺できることから、駐在する都市としてはまだまだ安価な物価としてランキングされているクアラルンプール。

飲食だけをみれば、どんなお店に行くかにもよりますが日本よりは確実に高いと感じる都市部の一面があることを是非お忘れなく。

*値段はあくまでも都市部における参考値
*1リンギット=約31円で換算

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鈴木健吾

Kengo SUZUKI

NEOLIZE SEA SDN.BHD.代表。 人生の選択肢として第2の拠点をマレーシアに設立し自ら実践中。 当地のデジタルエコシステム形成に関わる民間企業、スタートアップ、投資会社、政府機関等に幅広いネットワークを持つ。拠点立上げ・組織/体制作りと運用・テック系新規事業の事業化に精通する。東南アジアをカバーする当地のVC(Venture Capital)アドバイザーも務める。クアラルンプール在住。

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