今年1月には1ドル=115円でありましたが、その後の急激な円安で現在は約148円という水準の日本円。
為替レートに一喜一憂することはないですが、流石にこの傾向は海外生活にも影響が出ており、当然ながらマレーシアリンギットに対しても円安傾向です。
そこで、今回は経験を元にクアラルンプールでのビジネス/生活における対処方法の一例を纏めます。参考になれば嬉しいです。
リンギットへの両替は最低限の金額で
マレーシアリンギット(以降MYR)自体が世界的に見ても流通量が限られ、また外部環境によって為替変動の影響が受けやすいこと、マレーシア国外への持ち出しがしにくいこと等々を加味した結果、MYRとしての所有は最低限で良いと判断しました。
具体的には、会社を立ち上げる費用と不動産(コンドミニアム)を契約する際の諸々の費用等は、過去に開設していたマレーシアローカル銀行の口座に預けていた資産を使用。よって、当時キャッシュとして手元に両替をして所有していた金額は1ヶ月程度の生活費(余裕をみて20万円程度)のみでした。
マレーシアに会社を設立した2020年終わりはMYRに対して日本円が高い状態(1RM=約25.5円)
取引では通貨を限定しない
ビジネスでは日本企業、海外企業とクロスボーダーの取引がありますので、基本的には米ドルを軸にし、MYRは二次的に使うようにしています。またASEANではシンガポールドルを好むお相手もいるので、3つの通貨が使えるようにしています。(法人の銀行口座開設時に取引を行う通貨が選択できます)
結果的に現在の円安傾向下においては、全ての通貨を円換算すると為替益が出ている状態になりますが、為替は水ものですので、リスク分散の手段としても特定の通貨のみでお仕事をしないことを推奨します。
米ドルからMYRに変換する際の、対ドルに対するMYR安の状態です。
特に日本企業は一旦米ドルを挟まないとMYRの送金が出来ないというケースが共通のようです。
ドルがマレーシア以外を含むアジアの通貨に対しても相当高くなっていることもあり、請求書を発行する時点と入金をいただく時間差で為替の差損に繋がることも(もちろん逆もありますが、2022年はドル高傾向が顕著)あるので、取引相手とのルール決めをしっかりとしておくことが必要になるでしょう。
生活面においての物価高への対応
円に対しMYR高の傾向なので、食費・家賃・交通費を円換算すると2021年対2022年(10月まで)で年間約10-15%は物価が上がっている状態にあります。(2022年前半の外食のインフレ傾向についてはこちらを参考)
しかし、生鮮食品においては今日は値上がりしてるけど明日は安い!なんてことも良くありますし、スーパー毎の特売・割引チケット・ポイントアプリなどをうまく活用できる環境にあります。また、先述の取引における対象通貨を分散させることを行いながら生活をしている分には、今の所そこまでの物価高を感じる状態にはなっていないのが正直なところです。

最後に
日々の生活においては、事あるごとに日本円に換算をして考えないことが健全でしょう。
マレーシア生活において物の値段は当地の基準で決まっていくものですし、インフレ率や経済成長率といった要因で生活していく費用は今後も右肩上がりになっていくことは当然といえば当然、と思うくらいがちょうど良いのだろうと思います。折角のマレーシアライフですから、個人個人が楽しみを見つけて生活できると良いですよね。
また今年のような環境変化が大きい時こそ、無駄な出費(無意識で契約を継続しているサブスクサービス、所有しなくて良いもの、安売りだからとまとめ買いをしている物資など)を見直す良い機会として捉えています。健全かつ自分の身の丈にあった生活基準を築き、「自分なり」の時間が過ごせるようにしたいものです。
