マレーシアのお水事情

日本ほど水道水がキレイな国は、世界のどこをみても多分ありません。
海外の水道水を飲むのは基本的にはやめておいた方がいいのですが、シャワーを浴びたり、歯を磨いたりなど、拠点として生活に水道水を全く避けるのも無理な話。

では、マレーシアの水道事情はどんな感じなのか、ローカルの下水処理会社社長とのお付き合いもあるので、彼から聞いた話を含めて現地の事情をお伝えします。

マレーシアの水道インフラは老朽化が進んでいます。水道管の破損が起こっていたり、配管内が錆びるなどの汚染が進行しています。また、取水場の水源の近くにある工業地帯から汚染水が流れ出し、広い地域で断水になることが年にしばしば発生します。

したがって、基本的にマレーシアの水道水は汚いと思っています。
マレーシアの水道水は蛇口から出てくる水を見る限り一見キレイですが、浴槽に水を貯めると、薄茶色に濁っていたり(配管のサビの影響)、フィルターを設置すると、その汚れの酷さが一目でお分りいただけるかと思います。

バスタブに貯めるお湯は、やや黄緑色で出てきます(KL某ホテル)

交換したてのシャワー用フィルター

4-5日で茶色く変色します

マレーシアローカルの一部家庭では、水道水を煮沸して飲んでいると聞いたことがありますが、まず私は水道水は飲みません。
飲み水を含めて清潔な生活用水をどう確保するのか、については各家庭で取り組みが異なると思います。また高級なコンドミニアムには独自の浄水システムが付いていることもありますが、メンテナンスの品質がどの程度かは分りません。

以下にいくつか選択肢を記載します。

ウォーターサーバーのレンタル。日本と同じように電源さえつないでおけば、熱いお湯と冷たい水がすぐ飲める利便性の高いウォーターサーバーがマレーシアでも一般的になりつつあります。これまではオフィスでの利用が一般的でしたが、家庭での利用も増えつつあります。

ただし、東南アジアの湿気が多く、カビやすいという気候特性からサーバーの内部のお手入れが面倒なことが難点です。

私は駐在員時代(2015-16)に会社でウォーターサーバーを使っており、メンテの煩雑さを見ていたので、自宅では使っていません。あとは、ボトルの水を自宅に宅配してもらえるのは便利ですが、マレーシア特有の時間の流れで、約束した時間ちょうどには配送員がこないので、時間とコストのバランスもよく考える必要があります。

スーパーでペットボトルを買い込む。
マレーシアにもいろいろな種類の水が売られていますので、自分の味の好みに合った水を見つけてリピート買いをするのはありだと思います。

私は、先述した断水対策を含めて一定量の飲み水を家に保管する目的でペットボトルのお水を購入しています。

マレーシア旅行中の飲み水としてはペットボトルの水で十分ですが、実際にマレーシアを拠点として生活するとなると、ペットボトルの水ではすぐに使い切ってしまうので、水道水を使うしかありません。

ということで、私もできるだけ安全な水を家の中で使えるようにと、我が家では浄水器を使い、料理、洗顔、歯磨きに使います。
シャワーにはフィルターを取り付け、4-5日に1度の頻度でフィルターを交換えながら極力綺麗なお湯でバスタイムを楽しむことにしています。

マレーシアの水事情に関しては、災害でもないのに突然断水がしたり(月に数日間の断水が起きることも)飲み水から異臭何して使えなかったり、ということが起きます。

クアラルンプールは毎年社会インフラの整備が進み、外から見ると街自体が益々進化をしているように感じますが、くれぐれも見た目の雰囲気に惑わされず「自分の身は自分で守る」という思考と自己責任で、拠点生活には欠かすことのできない水対策を進めて欲しいと思います。

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鈴木健吾

Kengo SUZUKI

NEOLIZE SEA SDN.BHD.代表。 人生の選択肢として第2の拠点をマレーシアに設立し自ら実践中。 当地のデジタルエコシステム形成に関わる民間企業、スタートアップ、投資会社、政府機関等に幅広いネットワークを持つ。拠点立上げ・組織/体制作りと運用・テック系新規事業の事業化に精通する。東南アジアをカバーする当地のVC(Venture Capital)アドバイザーも務める。クアラルンプール在住。

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